2025/10/15
「肩がこる」「背中が張る」──そんな身体の不調、実は“ストレス”が大きく関係していることをご存じですか? ストレスというと心の問題に思われがちですが、身体の神経系を通して筋肉の緊張にも深く関わっています。 まず理解しておきたいのは、ストレスを感じたときに働く「自律神経」の仕組みです。 人間の自律神経は、活動モードの〈交感神経〉と、リラックスモードの〈副交感神経〉から成り立っています。 精神的なストレスや不安、長時間の緊張状態が続くと、交感神経が優位になり、体は常に「戦う・逃げる」モードに入ります。 この状態では、筋肉に「緊張せよ」という指令が出続けます。 特に首や肩、背中、腰など“姿勢を保つための筋肉(抗重力筋)”は常に収縮状態となり、血流が悪化。 酸素や栄養が届きにくくなり、老廃物も溜まりやすくなるため、筋肉が硬くなり、痛みやコリとして感じるようになります。 さらに機能神経学的に見ると、ストレスによる神経系の偏りが「脳幹」や「小脳」に影響を与えます。 これらの部位は筋肉の緊張度をコントロールしているため、ストレスで興奮状態が続くと、筋緊張の抑制が効かなくなり、慢性的なコリや張りを引き起こします。 つまり、筋肉の硬さは“心の緊張”が神経を通して“体の緊張”に変換された状態なのです。 当院では、こうしたストレス性の筋緊張に対して、まず神経バランスを整えるアプローチを行います。 足の固有受容器や背骨の調整を通じて、自律神経の興奮を鎮め、身体を「安心モード」に戻すことを目的としています。 そのうえで、呼吸の改善や胸郭の柔軟性を高める施術を行うと、筋肉の緊張が自然にゆるみ、血流や代謝も向上します。 「マッサージをしてもすぐに戻る」「リラックスしているつもりでも肩がこる」 そんな方は、単なる筋肉の問題ではなく、神経やストレス反応の影響かもしれません。 身体の硬さを“心と神経”のサインとして捉え、根本から整えていくことが大切です。