めまい・ふらつきと姿勢の関係

2025/12/07

「めまい」や「ふらつき」は耳の問題だけだと思われがちですが、実は**首の姿勢(特に上部頸椎)が深く関わっています。 その鍵となるのが、首に存在する“固有受容器”**と呼ばれるセンサーです。 ■頸部固有受容器とは? 固有受容器とは、筋肉・関節の位置情報を脳に送るセンサーのこと。 中でも、頸椎(首)周りには全身の中でも特に高密度に存在しています。 このセンサーは 頭が今どこを向いているか 身体がどう傾いているか バランスを保つためにどう調整すべきか を常に脳へ送り続けています。 つまり首は、バランス機能の司令塔の一つと言えるのです。 ■姿勢の崩れがめまい・ふらつきを引き起こす理由 デスクワークやスマホ姿勢が続くと、頭が前に出た「ストレートネック姿勢」になり、 頸部の固有受容器が正しく働かなくなります。 その結果… 頭の位置情報が脳に正しく送られない バランス感覚が乱れる 目や内耳が必要以上に補正し続ける 自律神経も緊張しやすくなる という負の連鎖が起こり、めまい・ふらつき・頭重感が生まれます。 特に「回転性ではないフワッとしためまい」は、 頸部由来で起きるケースが臨床上多く見られます。 ■頸部だけを整えても改善しない理由 大切なのは 首=頭の支点 であるという点。 土台である 胸椎の可動性(猫背の改善) 骨盤の安定性(左右差の解消) が崩れていると、首の負担は取り切れません。 また、首の固有受容器は足部の固有受容器とも連動しており、 足のアーチ低下や足根骨の可動性が悪いとバランス情報が乱れ、 結果的に首に過剰な修正負荷がかかります。 あなたの「めまい・ふらつき」は、 実は**“足〜骨盤〜胸椎〜首”の連鎖**が崩れた結果かもしれません。 ■当院が行う調整(機能神経学的アプローチ) 当院では以下の流れで評価・施術を行います。 パトリックテストや肩の挙上テストで神経バランスの左右差を確認 足根骨のモビリゼーションで固有受容器を活性化 トムソンテクニックで骨盤・胸椎・頸椎を調整 最後にC2へのプレッシャー刺激で中枢のリセット この順序は「末梢 → 中枢」への神経調整で、 頸部固有受容器を最適に働かせ、バランス機能を回復させることを目的にしています。 ■まとめ ✔ めまい・ふらつきは首の姿勢と固有受容器が深く関わる ✔ デスクワーク・スマホ姿勢は固有受容器の働きを弱める ✔ 首だけでなく、足部・骨盤・胸椎の連鎖で評価することが重要 ✔ 神経バランスを整える施術で改善が期待できる “耳の問題じゃないめまい”でお悩みの方は、 一度、姿勢と頸部の神経バランスから見直してみませんか?